2022年3月からスタジオ撮影「PORTRAIT」ならびに「 WALNUT FRAME 」の価格を変更させていただくことになりました。
現像液、プリント、その他薬品などの原材料の高騰もありますが、今年に入り空からタライが落ちてきたくらいの衝撃的なフイルムの高騰
ただぼくは、スタジオ撮影だけでなく作品や日常もふくめてこれからも変わることなくフイルムを使い続けていきます。
写真家としてフイルム以上の表現はないと愚直に信じているからです。
いまや中判ネガカラーフィルムで撮影して、さらに現像プリントまですべて自分でしているのは国内ではほぼ皆無だと思っています。
一度の撮影で他のスタジオのように枚数は撮れませんし、華やかな背景や小物があるわけでもないし、最新のカメラを使っているわけでもありません。
ただなにもない真っ白な空間で、すこしの緊張感のなかみんな背を正し、1枚1枚呼吸を合わせるように1970年代に作られたカメラでシャッターを押し続けています。新しい表現を探し続けながらこれからもフイルムで撮影します。
そして額のほうは、ウッドショックと言われる世界規模での木材価格の大幅な高騰のいちばんの原因になります。そして額縁の木材だけではなく昨今の形あるものすべての原材料の高騰もあることもご了承いただけたらと思います。
このウォールナット(くるみの木)のフレームはひとつの場所で完成するのではなく、
ほかではまず見ることのできないくらいのシャープな額縁は、岐阜の山奥で
ただ保護するだけではなく、さらに写真を凛と見せるための硝子は、数少なくなった国内の硝子メーカーさんが
写真と額縁のあいだの白マット。じつはこれがあるからこそ、どんな部屋にも調和したインテリアになる大きな役目となっているマットは東北で
それだけでなく、この額を梱包している箱はおじいさんがおひとりでひとつひとつ手作業で作製していただいてます。
mogu cameraがオープンして以来、ぼくのわがままな要望に快く受けてくださっている額担当のかたが、これらのかたがたを見つけ繋ぎまとめあげてくださったからこのウォールナットフレームが生まれました。
先日の写真教室の最後の授業でプリントを額装したとき生徒たちが自然とみんな声をそろえて「おおおっ!!」って歓喜の声をあげました。
そのまえに、同じ写真を見ているはずなのに額装すると不思議なことに別の写真になったかのように錯覚します。
それくらいたくさんの技術がひとつになってできたこの額には力があります。
スタジオ撮影に関しても、デジタルデータで渡すのが主流になっていますが「 P O R T R A I T」ではこれからも写真を形あるものとしてお渡しするため、そして写真をインテリアやアート作品と同様に飾るためにもこのウォールナットフレームを使い続けていきます。
昨今の原材料が高騰していくなかでの、今回のおおきな価格改定にはなりますが何卒ご理解いただけたら幸いです。